『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』(2012年 - 2018年)2000年代の問題意識のほぼすべてのテーマを包含して解決まで到達した戦記ものの傑作

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIV (電撃文庫)

2024年2月3日に『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』を再読了。漫画全巻読み直して、いてもたってもいられなくなって、小説全巻14巻を読了。僕はペトロニウスの名にかけて、星5つの大傑作だと思っている。


「何度も読み直したくなる」キャラクターの魅力にあふれ、ライトノベル的な読みやすさを兼ね備えながらも、中身の深さもすごい。特に、SF構造設定の深さに、最前線の物語を理解するにはこの「構造」を、世界のマクロの捉え方を、よくよく理解しておくと、「次の世代」の物語への土台がしっかりできると思うのです。


というのは、僕が文脈読みとしてあげている幾つかのテーマをかなり網羅している上に、それを「完結まで持って行っている」答えを出しているもの物語だからです。

1)この世界は誰かに造られたものではないかという違和感を追って世界の謎を解き明かすSF

2)戦記ものの設定で、上からの改革をどのように、次の時代へ繋げるかのテーマ(英雄や勇者だけにみんなが頼るのは卑怯にして現代にあっていない)

3)ヒーロー文脈のリニューアルとしての脱英雄譚-英雄に一人頼ることは卑怯なのではないか?問題(英雄や勇者だけにみんなが頼るのは卑怯にして現代にあっていない)

4)愛されずに育った子供のトラウマを、どうやって癒して、生きる気力につなげるのか問題(アダルトチルドレン問題)


えっと、ちゃんと熟考していないけれども、このあたりの問題意識です。この話って、要は、1990年代から2020年代までの20-30年をかなり支配している問題意識で、それをちゃんと全て解決をもたらしていることに、いつも感嘆を覚えます。大傑作ですよ。しかも、これは言い換えれば、マクロとミクロの問題が、ちゃんと交差しているわけで、ペトロニウス的な物語観としては、最高峰の物語です。


また凄いのは、これらの1)ー4)くらいの文脈って、全て繋がっているんだなという感じです。これってペトロウスが言う


シンジ君がエヴァに乗らなくなったのはなぜか問題


の話ですね。この大きな問題意識から、それをどうやって解決しようかと2000年代は苦しんできたんだと思うんですがここのテーマでは見事な解決策がたくさん出ているのですが、『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』は、これを総体的にまとめて、しかもキャラクターのドラマとして物語にビルトインして解決しているので、本当に素晴らしい。

www.youtube.com
物語マインドマップ 8-2.脱英雄譚~ガンダムのテーゼと“彼岸“のさらに先の物語


この辺りを、構造的に、全体の解説が欲しい人は、「物語の物語」を読むかYoutubeでの講義を聞いてくだされば。って、ものすごい量ですが(笑)。まぁ大学の講義級で、がっちりと勉強しないと、なかなか構造は理解できないものでしょうけどね。まぁ、我々も、20年以上分析し続けているので、そりゃ凄いボリュームになります。でも社会人やりながら、ちゃんとこれまとめているのほめて!って思っています。


話を戻しましょう。1)ー4)くらいの文脈って、過去の自分の記事を読み直したら、細かく具体的に解説を加えていますね。やっぱり自分は、強い影響を受けているのだなと思います。

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』 宇野朴人著  安定した戦記モノで、マクロとミクロのバランスがとても良いです!
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20170109/p1

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXI』  宇野朴人著 どのように人々の参加意思をつくりだしていくのだろうか?
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20170109/p2


この2つの記事は何を言っているかと言うと、戦記モノの類型を描くにあたって、時代が何を求めているか?と言う話。


戦記ものは、要はダイナミックな英雄が出てくる話なんですが、例えば異世界に飛ばされた男が、その世界で国を救ったり帝国を打ち立てるようなお話。田中芳樹さんの『アルスラーン戦記』とかですね。もしくは、僕は『レジェンド・オブ・イシュリーン』とかすぐ連想しますね。けれども、

GATCHAMAN CROWDS』 中村健治監督 ヒーローものはどこへ行くのか? みんながヒーローになったその先は?
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20131015/p1


【2016-3月物語三昧ラジオ】脱英雄譚の英雄譚+ガッチャマンクラウズ 2016/03/20 - 物語三昧~できればより深く物語を楽しむために


この辺りの問題意識なんですけど、、、、橙乃ままれさんの『まおゆう 魔王勇者』も、この系列の問題意識なんですが、一人の英雄に頼る構造ってのは、倫理的に卑怯だし、何よりも「安定性に欠ける」と言う部分を追求しているんですね。不眠(ねむらず)の輝将ジャン・アルキネクス少将のお話です。圧倒的に勝っていたキオカ共和国軍は、彼が働きすぎで倒れたときに戦争継続ができなくなるほど大ダメージを受けました。それは、全て英雄に、彼一人きりに頼る構造に軍の体制がなっていたからですね。

それとカトヴァーナ帝国第三皇女シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニクのエピソードですね。彼女は、既に国が自律する力を失った土台が腐っている帝国の最後の皇帝として登極します。けれども、基本的には、軍により何とか国が支えられている構造は、軍国主義にシフトしてしまいやすく、既に国家としての自立性が失われていて、、、、そこに住む一般の人々が、自分の意思をマクロに反映できることはない、主権を全く意識していない奴隷根性で生きていて、シャミーユが、いかに歴代最高峰クラスの天才で、かつ明君であったとしても、この「大きな歴史の流れ」を変えることは不可能な状態に追い込まれています。

なによりも、この軍が国を支えると言う無理な構造を一身に背負ったキャラクターとして、ヤトリシノ・イグセムが、「そのために」死んでいます。ちなみに、まぁこの記事を読んでいる人はすでに本を読んでいる人だとは思いますが、彼女の死は、田中芳樹さんの『銀河英雄伝説』のキルヒアイスに匹敵すると僕は思っています。何もそんな序盤で死ななくても、、、と思うくらい素晴らしいキャラクターなのですが、このテーマの象徴のような子なので、ここで死ななければならなかったのは、物語上の納得です。


どちらも、このテーマを背負っている動機を持って生きている。抽象的なテーマではなく、この二人の人生の実存になっているところが、本当にうまい。


そして最終巻のイクタ・ソロークのエピソードと合わせると、、、、


この英雄に頼っている構造では国は運営できないと言う文脈から、もちろん民主主義国家にならなきゃいけないのは分かるのですが、、、、ではどう描くか?となると、、、


時代(2020年台)の戦記モノでは、フランス革命が描かれなければならない!


という時代に突入しているのではないか、と僕は推察しています。

ジャコバン派の独裁 小説フランス革命14 (集英社文庫)

なので、ナポレオンとか、この辺を読みたいと思う今日この頃なんですが、、、、、時間がない、、、、。



そんで、次に話は、シンジくんの実存問題、、、アダルトチルドレン問題ですね。この話は、以下の2つの、シャミーユの生きる希望をどう取り戻すか?とか、ハローマ・ベッケルとパトレンシーナの話ですね。これって、親や社会構造から引き裂かれた子供時代に歪んでしまった、悪になってしまった人を、どう癒すか許すかと言う問題ですね。LDさんのいうベジータ問題。過去に人を殺しまくったのに、身内だと許されるのか問題みたいなテーマ。キオカ側のジャンやエルルファイ・テネキシェラもそうなんですが、親(もしくは社会の構造)によって幼少期に湯釜された人を、どうするか?どう責任を取らせるか?と言う問題意識。


『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXII』 宇野朴人著 僕はこの宇野さんという作者がとても大好きです。彼は世界の美しさを知っていると思います。
http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20171020/p1

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』 宇野朴人著  ミクロとマクロのバランスをちゃんとハードSF的に描きながら、それでもキャラクターのドラマが書ける素晴らしい作家
https://jwxg.rubberducky.site/entry/20180328/p1


一貫して、主人公のイクタは、この辺お構造への解決を意識していて、「英雄になっちゃいけない、怠けるべき」と考えているし、「社会や親から受け継いでいるトラウマや歪みはその人の責任じゃない」と言うスタンスを持っています。


これの解決策が、身近な人が「その人自身の本気で向き合う」ことと「実感として愛を感じられるように愛する」ことでしか解決しないって描いていますよね。僕は、人の心を救うには、、、、愛される実感を感じるには、セクシャルなものに踏み込まないと、その話進みようがなくね?と言うとも持っているんですが、しかし肉用区になると執着が生まれて愛じゃなくなっちゃうというのを、イクタの熟女好きでかわした宇野先生の天才には、腰が抜けるほど驚きました。最初から、そのことで嫌そう!と思っていないと、この設定できなくね?とちょっと驚きです。

ハロとパトレンシーナの話は、どう考えればいいのかなぁ、、、。罪と罰というテーマに踏み込むと、エルフェンリートになっちゃうんだよね。

jwxg.rubberducky.site

僕は、読んでいてほとんど違和感なかったんだけど、、、ベジータ問題があるのかもしれないと思う。これに関して、どう物語るのがいいのかは、まだよくわからない。というのは、身内のパブリックというものには、明確な境界と差異があって、いいのではないかって思うんですよね。ハロの話は、身内で隠せるぐらいの権力を持っているのならば、やり切っていいじゃないかって思うんですよ。身内を守らない奴は、信頼されないと思うんですよね。でも、イクタの最後の処刑に関しても分かるように、必ずしも「黄金律おいうか道理を曲げて」まで身内を救うことは、できる時とできない時があるというのはあるんです。ハロの話とサフィーダ中将の話は、コインの裏表に感じるんですよね。最後は良い人になったサフィーダ中将をどう裁くのかって話。作者も考えに考えているのが伝わってきます。


まぁこの話は一旦置いておいて、要はアダルトチルドレンを、、、、親や社会の構造から生み出される悪をどこで歯止めをかけるか?という問題意識。


英雄一人に頼るな!と裏表なんだと思うんですよね。ラスボスや悪を血祭りにあげて構造や根本原因への直視を誤魔化すな!


という意識が常にある。とても現代的な視点だと思います。これって、相当根本から問題意識を持って、根本原因を直視する意識がないと、全く解決できないで、すり鉢上の地獄に人々を陥れていくんですよね。世界がすり鉢上になっていて、どんどん悪い方向へ落ち込んでいくほど、、、、世界はそこまで狭量じゃないという問題意識は、語りたいのですが、流石に長くなりすぎるので、今日はここまでで止めておきましょう。次の自分の思考の深掘りまで。


1)この世界は誰かに造られたものではないかという違和感を追って世界の謎を解き明かすSF

2)戦記ものの設定で、上からの改革をどのように、次の時代へ繋げるかのテーマ(英雄や勇者だけにみんなが頼るのは卑怯にして現代にあっていない)

3)ヒーロー文脈のリニューアルとしての脱英雄譚-英雄に一人頼ることは卑怯なのではないか?問題(英雄や勇者だけにみんなが頼るのは卑怯にして現代にあっていない)

4)愛されずに育った子供のトラウマを、どうやって癒して、生きる気力につなげるのか問題(アダルトチルドレン問題)



この問題全て、物語で解決しているんですよね。素晴らしい傑作です。あ、1)の話は言及しなかったけど、記事には書いているので。立花博士とサプナ助手の百合百合の愛の話ですね(笑)。僕はあれほど短く美しい世界の滅びのSF物語を見たことがない!と思うほどの素晴らしいエピソードでした。

「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと倭国」@パナソニック汐留美術館

テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと倭国」@パナソニック留美術館に行って来ました。先日、終わるギリギリでフランクロイドライト展をやっているのを見つけて、行きたい!と思ったけど、時間がなくて無念で見逃したので、気にしていたら、面白そうだったので。パナソニック留美術館、一度は行ってみたいと思っていたので、行けてよかった。倭国の銭湯文化とローマ帝国の公衆浴場の比較。ローマの最初のテルマエは、初代皇帝アウグストゥスの腹心アグリッパによって建設されたんですね。紀元前25年だそうです。いやはや、アグリッパ有能すぎる。有名なのは、カラカラ浴場(217年)ですね。建物の模型などを観ると、本当に巨大な建築物だったみたいですね。だから中に飾る大理石の彫像も、3メートルとか、普通よりも巨大にしないとちっぽけに見えるので、規模がかなりのものだったようです。公衆浴場自体のルーツは、ギリシャの運動施設(ギュムナシウム)にあるらしく、ギリシャ人は体に油を塗ってスポーツをする文化があって、その油を落とす施設が必要でったことが起源のようです。だからストリギリス(肌かき器)みたいなものがあるんですね。垢すりの器械だとばっかり思っていました(笑)。写真にもありますが、大衆への人気取りが動機なので、モザイクのタイル(水に強いから!だそう)やローマ皇帝の大理石の彫像とか、美術品を間近に観る場でもあったようです。ある種の美術館とか、宣伝?の場でもあったんですね。


ヤマザキマリさんの『テルマエ・ロマエ』は、本当に凄い作品だと思います。ラテン語で「ローマの浴場」という意味ですね。倭国の文化とローマの文化は似ているといいますが、お風呂に着目して、こんな物語を作り出すとは。これって新しいジャンルというか、あり得ないジャンルを丸ごと作り出したようなものなので、いやはや本当に凄い作品だと思います(笑)。まだ映画見ていないんですよね、、、そういう意味では、僕もまだまだですね。早く見ないと。

テルマエ・ロマエI (ビームコミックス)

thermae-ten.exhibit.jp

全く関係ないのですが、このマンガを思い出しちゃいました。物語もそうですが、こういうの観ると、いろいろ連想してしまって、イタリアに旅行に行きたくなってしまいます。はー。ローマ帝国って、本当に凄いインスパイアされる、歴史ですよね。

ローマふたり暮らし 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)


そのあと、ふらふら歩きながら、海南鶏飯(ハイナンチーファン)のお店に。僕はこのお店好きで、時々、こっち方面に用事がある時には、行くんですよね。5月のこの時期は、天気が良いと、お日様がキラキラして、とても素敵です。そのまま、浜離宮に散歩に行こうかと思いましたが、食欲が勝りました。




『外科医エリーゼ』がアニメ化したので、悪役令嬢モノの類型を読み直したくなってきた。

外科医エリーゼ 1 (FLOS COMIC)
評価:終了前なので未評価
(僕的主観:★★★★4つ)

Netflixかアマオゾンプライムか確認できていないが、アニメ化していたので(アニメは2024/2/10時点)思い返して全部読み直してしまった。今回の記事に挙げているのは、全て僕が「何度も読み返している」奴なので、クオリティは高いのを保証します。僕のピッコマのリストには、悪役令嬢ものが溢れているんですが、一段ジャンルを気づいてから何年も10年も経つと、「何度も見直す作品」と「そうでない作品」が確実に分かれてきます。何かがおもしろさの核があるんだろうと思います。韓国で小説版は2015-16、カカオページで連載されていて、miniさんによるウェブトゥーンが2017年から継続中ですね。ピッコマのウェブトゥーンの悪役令嬢パターンの量産型の一つですが、これは僕はとても好き。めちゃくちゃ読み込んで、選別してきた奴なので、おすすめの漫画です。

ブリチア帝国クロレンス侯爵家の長女エリーゼ・ド・クロレンスという悪役令嬢が皇后にまで上り詰めたんですが、あまりにわがままで悪行の果てに、夫である皇帝リンデン・ド・ロマノフに処刑されます

その後、前世の記憶を持ったまま現代の倭国で高本葵というして生まれ育ち、その公開が故に、人を救おうと超優秀な外科医にまでなったのですが、航空事故で死亡します。

その彼女が、もう一回エリーゼ・ド・クロレンスになって人生をやり直す、というお話です。


この作品の設定を考えると、最初ちょっと複雑で、意味がわからなかったんです。

  • エリーゼ・ド・クロレンスという悪役令嬢による人生の失敗

  • エリーゼ・ド・クロレンスをもう一回やり直す


このように、現代に転生して、さらにそこから戻ってきています。 メタ的に考えるならば、

1)なんで2回やりなおす(なおせるの)?

2)元々性格が捻じ曲がっていた最初のエリーゼが、なぜ優秀な外科医に努力してなったのか(なれたのか)?


この背景的な説明がいるんですが、何にも言及がないんですよね(苦笑)。なので、「そこ」を評価する物語じゃないんだなと思いますけどね。えっと、この辺の「転生やり直しのメタ的な構造を物語に組み込むかどうか」が、ペトロニウス的な物語評価の重要なポイントになります。その観点からすると、『外科医エリーゼ』は、作品の構造キャラクターどれをとっても、なんというか普通の作品です(作者さんすみません)。ブリチア帝国はイギリスがモデルだろうし、皇帝の名前はリンデン・ド・ロマノフは、ロシアのロマノフ王朝だろうし(宮殿や雰囲気は色濃くロシア風)、衣装デザインとかも含めて、なんとなく寄せ集めの雰囲気が漂う。すみません、上げる前の下げなので、ご容赦を。だから、そんなにガチで他人にお勧めする作品ではないです。。。。


が、、、、僕は、なんかとても好き。ピッコマで見つけて、結局単行本をも全て買って待ち遠しく続きを待っています。ペトロニウスは大好きすぎてます。


だから、そういうの(=メタ的な構造を評価する観点)ではなくて、物語の一番大事なところ(それは僕が批評する観点ではないけど)は、この現代に医術を使って、世の中を変える!とか自分の人生を変える!人を救う!というカタルシスが、プリミティヴな部分なんだと思います。物語はこのプリミティブな部分、荒々しく、「こうあってほしい!というエネルギーというか欲望」がコアにないと、面白さがないんですよね。このベースあって、その上にあるのが、枠組みなんだと僕は思っています。


エリーゼ・ド・クロレンス、、、、というよりは、高本葵という天才外科医の「生き様」ってのが、なんか、訳わからんほど胸を打つんですよね、僕は。この人、そんなに人生を医学に捧げなくてもいいじゃんというくらいエネルギー溢れているし、美人だし、人間的にも最高な感じがするのに(エピソード的にはほとんど全く出てきませんが)、なんか、仕事に命捧げています的な貢献の塊な感じがするんですよね。もちろんエリーゼという前世が、人を虐げて意地悪をして処刑されたという後悔があるという「設定」ですが、そんな後悔程度で、そこまで人に貢献しようという生き様にならないでしょう?って思うので、ここを本当は深ぼってほしい。だって、葵さん、やばいでしょ、この人魅力的すぎる。


この天才外科医の「生き様」がそのまま、医学が遅れた世界に行ったときに、私はこう生きたい!!!というエネルギーの塊になって、この世界の不自由さや将兵機を、ガンガンぶち壊していくところに、この物語の魅力がある。ああ、そうか、僕が転生モノで大好きな『本好きの下剋上』とかも、主人公のマインの「本が読みたい!」というプリミティヴな赤裸々な欲望が、清々しくキャラクターの動機として主軸に明確にセットされていて、そこにぶれないから、気持ちがいいんだ。僕が高く評価するのは、メタ的な設計の部分ではあるんですが、キャラクターのこのコアの動機の部分が、主軸になっていないと、「もう一度読みたい」という物語としての面白さにつな辛いんでしょうね。

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医療モノ✖️異世界移転性(過去タイムスリップ)もは本当に増えてきたモノだなぁとしみじみ。この辺の津田彷徨さん『高度に発達した医学は魔法と区別がつかない』(2022ー)、2000年代は村上もとかさんの『JIN-仁-』(2000-2010)などがこういった系統の「医者としての使命感」を持った人は、どういう環境に叩き込まれても、やっぱり人を救おうとするし、病や患者をめぐる構造は、異世界であっても江戸時代にタイムスリップしても、実は、ドラマとしてはそれほど関係がないというのがよくわかる。この二つは、いいですよ。

JIN―仁― 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

高度に発達した医学は魔法と区別がつかない(1) (モーニングコミックス)


ちなみに、ペトロニウス的おすすめの公爵令嬢もの系統は、

『外科医エリーゼ

ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』

『エリスの聖杯』

『謙虚、堅実をモットーにしております!』

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』


あたりですね。どれもなん度も読み返している。あえていうのならば、はめふらこと、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』がダントツかつ、最高傑作だと思います。この類型の完成系だと思う。

エリスの聖杯 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスUP!)
評価:終了前なので未評価
(僕的主観:★★★★4つ)

https://ncode.syosetu.com/n1230ei/


乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…: 1【イラスト特典付】 (ZERO-SUMコミックス)<
span class="deco" style="font-weight:bold;color:#FF0000;">評価:★★★★★5つ
(僕的主観:★★★★★5つ)


このジャンルでは、上で紹介しましたが最高峰。ほめふら。この類型を理解したいときには、まず真っ先に読みたいところ。


somethingorange.jp

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